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「復興五輪」世界へ 本県から聖火リレー

 二〇二〇年東京五輪の聖火リレーが本県スタートと決まった十二日、一九六四(昭和三十九)年の東京五輪で聖火ランナーを務めた県民や聖火リレーのルート誘致に取り組む関係者は、「復興五輪」を世界に発信する機会にしようと思いを強くした。
 前回五輪で聖火を掲げて走った県民は本県スタートを、特別な思いで受け止めた。
 福島高三年のときに聖火走者を務めた福島市の福島ヤクルト販売会長で福島商工会議所会頭の渡辺博美さん(71)は「西日本豪雨など全国的に大きな災害が起きている。復興五輪の理念は福島をはじめ、全国の希望となるはず」と願った。
 中島村滑津のグラフィックデザイン会社「水の谷工芸」代表の水野谷慶吾さん(72)は「聖火ランナーの経験は一生の思い出になる。被災者に夢を与える堂々とした走りを見せてほしい」と要望した。郡山市体協会長の松村賢剛さん(73)は「聖火に一人でも多くの県民が関わり、五輪を身近に感じてほしい」と期待を寄せた。
 「一九六四年は絶対に忘れられない年」。同年に結婚した西郷村の農家鈴木晴雄さん(76)と妻トミ子さん(74)は、村役場に展示されている日本工機白河製造所が造った前回五輪のトーチのレプリカを手に、「聖火リレーを見に行きたい」と笑顔を見せた。
 会津若松市の行仁小六年渡辺涼佳さん(11)は「鶴ケ城など会津の有名な場所も回ってほしい」と求めた。
 いわき市の無職、古市博美さん(69)は「薄磯海岸や塩屋埼灯台など津波被害を受けた沿岸部をコースに組み込んで」と述べた。五年前、東京五輪開催が決まった際、安倍晋三首相は汚染水問題に関し「状況はコントロールされている」と世界にアピールした。大熊町の帰還困難区域からいわき市に避難している吉田良次さん(62)は「『復興五輪』と言うのなら福島からスタートするのが筋」と言い切った。
 福島市の主婦は西日本豪雨の被害が拡大している中で「なぜこの時期に聖火リレーの日程を発表したのか」と疑問視した。

■福島の「今」伝えたい 首長ら
 聖火ルートの誘致活動を展開する首長や団体トップは復興五輪の意義を強調した。
 浜通りの六号国道沿いの桜の植樹を進める広野町のNPO法人ハッピーロードネット理事長の西本由美子さん(65)は「六号国道を子どもたちが走る姿を世界に発信し、福島が安心できる場所だということを伝えたい」との思いを明かした。
 福島市のNPO法人うつくしまスポーツルーターズ事務局長の斎藤道子さん(54)は「ボランティアとして携わり、世界中の人に福島の今を見てもらう」と復興をアピールする考え。
 いわき市、楢葉、広野両町は十月、Jヴィレッジ(楢葉、広野町)からいわき市までをトーチでつなぐ「(仮称)被災地復興トーチリレー」を計画している。いわき市の清水敏男市長は「浜通りの復興を発信できるよう、ルート誘致に積極的に取り組む」と談話を発表。楢葉町の松本幸英町長は「県や双葉地方の姿を国内外にアピールできる」と歓迎した。
 野球、ソフトボールの一部試合が行われる福島市の木幡浩市長は「(スタート地点は)浜通りの被災地か、福島の名を冠する県都福島市が、ふさわしいのではないか」との考えを示した。須佐喜夫県体協会長は「スポーツは県民を笑顔にできる。本番に向け選手輩出に全力で取り組む」とコメントした。

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西郷村役場に展示されている1964年東京五輪聖火トーチのレプリカを手に、聖火リレーへの思いを語る鈴木晴雄さん(左)、トミ子さん
西郷村役場に展示されている1964年東京五輪聖火トーチのレプリカを手に、聖火リレーへの思いを語る鈴木晴雄さん(左)、トミ子さん

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