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暑さ乗り切る定番料理(7月13日)

 会津のばあちゃんは、転勤で県内各地を回る孫に瓶詰めの「油みそ」を送り続けた。「まんま(ご飯)さえちゃんと食ってれば、夏バテなんかしねえがら」。定番のおかずは、ご飯が進む。猛暑を乗り切る強い味方だった。
 自家製のみそ、みじん切りのネギ、かつお節を多めの油で炒め、砂糖を加えて仕上げる。ちまたでは「ネギみそ」と呼ばれることが多い。孫は教えられた作り方を何度か試してみた。同じみそを使っているのに、どこかが違う。
 サッカーの日本代表にも、食欲が増すお決まりの料理がある。長く専属シェフを務める広野町の西芳照さんは、脂がのった銀ダラの西京焼きを作る。著書「世界と闘うサムライブルーの必勝ごはん」(家の光協会刊)の巻頭で、一番人気と紹介する。ワールドカップロシア大会では、試合前夜に出して喜ばれた。もりもり食べた選手は暑さに耐え、強豪と渡り合った。
 作り手の思いが込められた料理には、どんな栄養補助食品でも蓄えられない力が宿る。油みその味はうまく出せなくても、孫はばあちゃんの願い、食べる大切さを語り継ぐ。お盆は墓前に、生前には伝えられなかった「ありがとう」の言葉を供える。

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