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世界の翼 品質管理徹底 スバルの航空機半田工場が民報社に公開

 SUBARU(スバル)=旧富士重工業=は航空機事業の拠点である半田工場(愛知県半田市)を福島民報社に公開した。米国ボーイング社の主力機の「心臓部」といえる中央翼を製造している現場は、品質管理を徹底して作業を進める従業員の緊張感で満ちていた。(本社報道部・服部 鷹彦)

 名古屋市から南に約四十キロ。知多半島の衣浦(きぬうら)湾に面した埋め立て工業地帯に半田工場は立つ。三棟からなり、ボーイング777型、787型、777X型の三機種の中央翼を世界で唯一、製造している。
 中央翼の位置は航空機の中心部にあり、左右に主翼を取り付ける。揚力による翼の変形や荷重にも耐える極めて重要な部位だ。内部は燃料タンクとなる。他社が製造する着陸用の車輪(主脚)格納部と組み合わせ米国に出荷する。三機種合わせ年間約二百機分を製造している。
 協力企業も含め約千人が働く。製造現場には、チタンやアルミなどから削り出された部品が整然と並ぶ。全長九メートル、幅六メートル、高さ四メートルの中央翼が組み上がると、作業員は念入りに点検を繰り返す。サイズが大きく陸上輸送ができないため、隣接する亀崎港から中部国際空港に運んだ後、787型は専用機で米国に空輸する。また、777型などは名古屋港から船で米国に輸送される。
 厳しい検査体制により、重大な不具合品はこれまで一度も出していないという。レベルの高い「日本のものづくり」が、世界の空を支えている。

■スバル航空宇宙カンパニー担当部長兼半田工場長 安藤則雄氏(伊達市霊山町出身)に聞く 県内企業にもチャンス
 スバル航空宇宙カンパニーの安藤則雄担当部長兼半田工場長(伊達市霊山町出身)は福島民報社のインタビューに応じた。民間航空機関連産業は成長が望める分野だとして、県内企業にも部品供給などで参入できるチャンスが広がっていると語った。(聞き手・産業振興部長 菅野龍太)

 -業界の将来見通しを教えてほしい。
 「民間航空機関連産業は成長分野と言える。ビジネスの広がりなどにより、世界中を飛ぶ民間ジェット機の数は今後二十年で現在の二倍の四万機になる。二万機が必要になり、一万機が更新されるため、計三万機が新たに生産される計算だ」
 -福島県は航空宇宙関連産業の育成に力を入れている。県内企業が参入する余地はあるか。
 「機械加工関連部品の一部を国内から調達しており、福島県内の複数の業者からも供給を受けている。航空機の部品は極めて高い品質が求められるため、それをクリアできるかが取引の条件となる。良い物をどれだけ安く作れるかがポイントだ。航空関連の部品は少量生産のため、生産ラインの設備投資をしても資金を回収できるかどうか難しい面もある」
 -航空機を製造する工場が福島県内に進出する可能性はあるか。
 「新たな発注があったり、従業員の確保が難しくなったりという要因がなければ決心はつかないのではないか。これは一般論だが、新たに工場を建てるには税制上の優遇措置や規制緩和など行政の支援も必要になる」

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半田工場内で製造される787型の中央翼
半田工場内で製造される787型の中央翼
安藤則雄氏
安藤則雄氏

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