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自動車の夢(7月19日)

 自動車はフランスで発明されてから約二百五十年がたつ。速さ、操作しやすさ、安全、乗り心地…。夢と高みを追い求め、開発の営みは絶えることがない。
 ルマン二十四時間耐久レースは九十年ほどの歴史を刻む。世界三大レースの一つとされる。六月の第八十六回大会で、トヨタが初優勝した。一周約十三キロを昼夜通して高速で走る。コースの三分の二は一般道を使う。車の性能やドライバーの技術に加えて、チーム力で気温や天候などの状況の急変に素早く対応する。日本車と中嶋一貴選手を含む三人のドライバーによる「ジャパンチーム」で悲願を達成した。
 本県にも、世界が認めるモータースポーツを楽しめる場所がある。愛好者が二本松市のエビスサーキットに集う。「ドリフト」と呼ばれ、後輪を滑らせながら走りを競う。この技を広めた映画「ワイルド・スピード」に取り上げられ、国内外から多くのファンが詰め掛ける。八月の大会では国内のトップ選手が争う。
 自動車は単に人や荷物を運ぶだけの機械ではない。事故をゼロに近づけたり、自動運転の範囲を広げたりする夢が少しずつ、かない始めている。人々の期待を乗せて、進化と深化は続く。

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