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【会津のJA戦略】お笑いの発信力に期待(7月24日)

 JA会津よつばは、お笑い界で大きな発信力を持つ大阪の吉本興業の協力を得て、会津の農産物を売り込む。関西圏での市場開拓に力を入れるJA会津よつばにとって、これ以上にない援軍となるに違いない。大胆な発想で連携策を展開し、新たなPRの道を切り開いてほしい。
 吉本興業との連携は、JA会津よつばの幹部職員の提案から始まった。テレビ番組に登場するお笑い芸人の人気の高さに着目した。ほとんど接点のない吉本興業に飛び込みの電話を入れて、風評などに苦しむ本県農業の現状などを説明した。今月初めに会津地方の市町村長とともに大阪を訪問した農作物の関西トップセールスに合わせて、協力を取り付ける段取りを進めた。熱意が伝わった。
 吉本興業は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後、郡山市に「福島よしもと」を開設し、復興支援を続けてきた。三年目を迎え、今は月一回のライブや週二回のネット番組配信などで、被災地に元気を届けている。食の支援にも力を入れている素地もあって、吉本興業側も協力に積極的な姿勢を示してくれたという。過去にない連携に取り組むJA会津よつばと吉本興業の今後の活動に注目し、後押ししていきたい。
 本格的な農作物のブランド化活動は来年の作付け時期から始まる見込みだ。会津のうまい米を中心に据え、関西地方への出荷量の多いキュウリやアスパラガスなど幅広い生産を想定している。協力してくれる農家の農地をJAが契約農場として使う。本宮市出身で、県内を拠点とする芸人の三瓶さんをはじめ芸人が作付けや収穫に当たる。日常の管理はプロの農家が担って、品質を保証する。
 農場での活動は、ぜひ多くの人を巻き込んでほしい。農作物ができるまでの過程を知ることは、食べ物への関心にもつながる。県内ばかりでなく、関東、関西から農業体験に招くような取り組みも面白い。特に子どもたちには、会津の農作物のファンになってもらうことを期待する。アイデアを出し合いながら農場をフル活用できれば、販売促進の効果も高まる。
 JAは八月に東京で実施する販売促進活動「会津の夏まつり」や、秋の収穫体験事業にも三瓶さんに登場してもらうことにしており、来年の農場開設へとつなげていく。震災後、人気グループ「TOKIO」が県産農作物に熱い思いを寄せて、応援してくれる姿はよいお手本となる。お笑い好きとして芸人パワーに期待したい。(安斎康史)

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