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第12回全国アンコン始動(7月29日)

 今年度も声楽アンサンブルコンテスト(アンコン)全国大会開催に向けての準備が始まった。七月十八日に開催された実行委員会で大会内容が決定し、本格的に動きだした。十二回目を迎えて全国的に知名度を上げ、高い評価を受けている本コンテストについて紹介したいと思う。
 初めに本大会が開催されるに至ったいきさつについて触れたい。十数年前、県当局は福島県から全国に向けて発信できるものがないかを模索していた。
 福島県合唱連盟は傘下団体数やコンクール上位入賞団体数の多さ、演奏レベルの粒揃[ぞろ]いの高さから、音楽関係者からは「合唱王国ふくしま」と呼ばれていた。特に昭和五十年頃からの高等学校・中学校部門の活躍は目を見張るものがあり、「王国」と呼んでいただくのに相応[ふさわ]しい成果を残してきた。
 県当局はここに白羽の矢を立て、合唱活動による全国規模の大会企画に焦点を絞って検討を重ねた。その結果、当時多くの都道府県で開催を始めていた小編成グループによる、声楽アンコンに注目し、その全国大会を福島県で毎年開催しようという計画で話は進んだ。
 本県では、コンクールシーズンが終わり、特に高校では三年生引退後の、いわば冬枯れ対策としてこのコンテストを開催しており、すでに二十回を超える開催実績を積んでいた。一方、各都道府県合唱連盟を束ねる全日本合唱連盟は、声楽アンコンに対する全国的な機運の高まりを感じながらも、全国大会を開催するまでには熟してはいなかった。そこで、県は約二年にわたる綿密な準備期間を経て、この大会を毎年福島市音楽堂で開催することを決定し、平成二十年三月第一回大会開催を実現した。
 当初は県教育委員会内に置かれた実行委員会事務局を現在は県文化スポーツ局文化振興課に移し、企画運営している。十二年の時を経て大会内容は年々充実したものになっている。大会期間は四日間。中学・高校・一般部門をそれぞれ一日ずつ行い、それぞれの部門金賞受賞団体による本選を四日目に開催し、声楽アンサンブル日本一を決定する。これまで一般部門に含まれていたジュニア合唱だが、前回大会から、小学校ジュニア部門として独立させた。総出演団体数は百二十を超える。
 大会出場には二つの方法がある。一つは各都道府県大会を経て、各連盟からの推薦をもって出場権を得る方法。二つ目は公募審査によるものである。これは、公募審査申込を受け、厳正なテープ審査を通過した団体に出場権を与えるというものであるが、申込団体は年々増加し、前回大会には百三十八グループの応募があった。海外からも毎年参加団体があり、ゆくゆくは本大会が国際的な権威ある大会に育つことを願っている。
 近年は響きの良い福島市音楽堂で演奏することが全国の合唱人たちの目標になっており、主催者として喜ばしい限りである。県民の皆さんにも全国トップレベルの緻密で美しい声楽アンサンブルを是非[ぜひ]お聴きいただきたいと願うものである。(菅野正美、県合唱連盟理事長)

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