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二本松少年隊(7月29日)

 箕輪[みのわ]門の白壁に百五十年前の武の心がこだまする。二本松市の霞ケ城公園で二十八日、少年隊の顕彰祭が催された。十二歳から十七歳で戊辰戦争に出陣した少年たちをしのんだ。
 旧藩に伝わる小野派一刀流の形が披露された。「刀が一番切れるのは切っ先三寸」といわれる。現代剣道も竹刀の同様の部分で相手を打つ。二本松剣友会の名手による演武は、鋭い切っ先の応酬を繰り広げた。気迫が空気を切り裂き、観客は息を詰めて見守る。小学生の剣舞や居合、舞踊には目頭を押さえる女性もいた。
 〽紫霞[かすみ]城外大壇山[おおだんやま] 東道の要衝我屯[まも]る所 敵を望めば三軍旗色漲[みなぎ]り 身を顧みれば一剣赤心[せきしん]存す-顕彰祭で毎年吟じられる漢詩がある。堀捨次郎作「二本松少年隊を弔う」で、少年隊が奮闘した大壇口の戦いを描く。赤心とは偽りのない心をいう。信じる義を胸に大軍を迎え撃ち、倒れた姿を伝える。
 地元の吟詠会は「特別な詩」として大切に吟じている。しかし、〽少年団結す白虎隊-で始まる会津の「白虎隊」に比べ、まだまだ知られていない。子ども時代に覚えれば、郷土の先人の姿は一生、心の柱となる。戊辰百五十年を機に言葉でも受け継いでいきたい。

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