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ふくしま産業賞の力 渋谷レックス(福島) 海外市場に照準

 テーブルに駄菓子や海外向けのオリジナル商品がずらりと並ぶ。「味の評判はどうか」「パッケージをもっと見やすくしよう」。福島市の菓子卸売業「渋谷レックス」社長の渋谷裕司(41)は若手社員と販路開拓に向けた議論を日々重ねている。
 同社は二〇一七(平成二十九)年二月、福島民報社の第二回「ふくしま経済・産業・ものづくり賞(ふくしま産業賞)」で特別賞を受けた後、福島大からの就職希望者が増加した。採用試験を受けるのは例年二十人弱で、このうち同大からの受験者は一人か二人程度だったが、来春採用に向けた今年四月の試験では八人に増えた。渋谷は「卸売はあまり目立たない業種。ふくしま産業賞を受けて光が当たり、地元の関心が高まった」と受賞効果を口にした。
 ふくしま産業賞が縁となり昨年八月、同大の夏季集中講座で二年生約四十人を前に講義した。「卸売業としての生きる道」と題し、九十分間にわたり業界の現状や自社の海外戦略を語った。学生は目を輝かせて聞き入り、終了後には質問を浴びせた。来春、この若者たちは就職試験に臨む。渋谷は「社業と今後の展望を伝えることができた」と語り、同大からの就職希望者はさらに増えるだろうと期待する。
 人口減少や少子高齢化により、菓子の卸売業界は国内市場だけで売り上げを維持するのが困難な状況にある。渋谷レックスは二〇一四年、アジア圏を中心に輸出を始めた。昨年十一月には国内菓子メーカーと共同開発したせんべい「Pon Crisp(ポンクリスプ)」を発売した。原材料は豆と塩のみで、ノンフライ。ヘルシー志向の欧米人をターゲットにしている。ポンクリスプなどの投入により、現在は売り上げの二割弱にとどまる輸出をさらに伸ばしたい考えだ。
 海外販路の拡充を目指し今春、社内にプロジェクトチームを発足させた。メンバーは二十代の社員三人。入社三年目で最年少の前川麻美(24)=福島大行政政策学類卒=がリーダーを務める。ホームページを新設し、ポンクリスプを活用した料理のレシピなど商品の魅力をアピールしている。
 渋谷は「ふくしま産業賞が若い社員を集める一つのきっかけになった。こうした人材に責任ある仕事を任せ、社業の基盤を固めたい」と決意を新たにしている。(文中敬称略)

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海外への販路拡大に向けて意見を交わす渋谷さん(右)と前川さん
海外への販路拡大に向けて意見を交わす渋谷さん(右)と前川さん

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