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夢かなえる交流館に(7月30日)

 楢葉町は原発事故に伴う避難指示が解除され、二年十カ月余りが過ぎた。サケ漁で知られる木戸川の近くには復興拠点「笑[えみ]ふるタウンならは」がある。住宅や商業施設、医療施設が集まる。「新たな町」に町民の息遣いを感じる。
 一画に「みんなの交流館 ならはCANvas[キャンバス]」が建つ。一階には芝の広場と一体的に利用できる木製デッキが広がる。二階には山並みを一望できる和室を備えた。正面の山は町民に「ほととぎす山」として親しまれる。ガラス張りの外観と吹き抜けが開放感を増す。新たな出会いの場、情報発信のよりどころとして三十日に動きだす。
 町民や町職員、支援を続ける大学生が話し合いを重ねて設計した。被災家屋の柱を再利用する。至る所に参加者の思い、アイデアが生きた。真っ白なキャンバスに自由に絵を描く。誰もが利用でき、生きがいや希望をかなえてほしい-。復興を願う人々の思いが詰まる。
 にぎわいは少しずつ回復している。六月末オープンした「ここなら笑[しょう]店街」には買い物客が訪れる。二十八日にはJヴィレッジが再始動した。半数ほどの町民が古里での生活を再び始めた。町の復興は新たな段階を迎えている。

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