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文科省混乱収まるか(8月1日)

 学びの楽しさや決まりを守る大切さを説く。スポーツや文化の魅力を広める。その役割を担う文部科学省の不祥事が相次ぐ。子ども、教師、保護者に示しがつかない。
 前局長が私立大学への取り計らいの見返りに、入試で息子を合格にさせてもらった容疑が浮かび、起訴された。別の局長級幹部は便宜を図った謝礼に接待を受けた疑いで逮捕された。二人とも否認していると伝えられる。職務権限の有無や、わいろの認識が裁判で争われるとみられる。
 文科省は法律と予算と人事で、全国の学校や大学、教育委員会に大きな影響力を持つ。一年ほど前、組織的な天下りのあっせんで批判を受けた。事務方トップの事務次官をはじめとする多くの幹部が処分された。今度は汚職や横領の不正が明るみとなり、信頼回復は遠のく。混乱は収まるのか。
 各地の教育委員会に省の職員が出向する仕組みがある。難関の公務員試験に合格し、将来を期待される人材が多い。子どもや教師に向き合ったり、教育行政に携わったりする。数年後に省に戻り、現場の声を生かす。出直しと再生には、かつて接した人々に抱かせている不信を真正面から受け止める決意が欠かせない。

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