あぶくま抄・論説

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100回目の夏(8月5日)

 全国高校野球選手権記念大会の幕がきょう五日、開く。出場五十六校は過去最多となり、夏では初めてのタイブレーク制が始まる。猛暑対策で試合中に休憩や給水時間を設ける。百回の節目と相まって、注目度は高い。
 元大リーガー松井秀喜さんが開幕日の始球式のマウンドに立つ。抽選で開幕試合を引き当てたのは、母校の星稜だった。開会式直後の第一試合を戦える確率は、二十八分の一となる。一線を離れてもなお、見せ場をつくるスター選手の天賦を見た。
 戦後最多の十二年連続出場は運だけでは、なし得ない。聖光学院である。初戦で当たる東兵庫代表の報徳学園は本県とゆかりが深い。二宮尊徳が掲げた報徳の教えを教育理念に掲げる。相馬中村藩は、かつて尊徳の考え方を基に凶作を乗り越えた。その縁で生徒は東日本大震災以降、南相馬市に寄付金を寄せ続けている。
 百回は通過点にすぎない。だが、球児には一生で最も熱く、特別な夏として深く心に刻まれる。スポーツ界ではドーピングやルールを無視した乱暴なプレーなど問題やトラブルが相次ぐ。掛け値のない真剣勝負の数々はいつも以上にスポーツの素晴らしさ、醍醐味[だいごみ]を教える。

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