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水害教訓を音楽劇で(8月9日)

 伊達市梁川町で音楽劇「水のほほえみ」が受け継がれる。〈人つうものは なれっちまうど そいづがあだりめえだど思っちまうのな〉。劇中の語りにある。
 川と人との物語を紡ぐ。一九八六(昭和六十一)年の「8・5水害」を教訓に生まれた。町の中心を流れる広瀬川が牙をむく。いつもの穏やかな姿がうそのように荒れ狂い、濁流が町に流れ込む。川は警鐘を鳴らしていた。〈汚さねでけろ…、ぼっこさねでけろ…〉。叫びは人々に届かない。とうとう堪忍袋の緒が切れた。人は川を汚し、山を削り、ごみを捨て、自然をいじめ過ぎた。氾濫をその代償と伝える。
 十二日の伊達のふる里夏まつりで上演される。憩いの場として市民が行き交う広瀬川親水公園で催す。梁川交響吹奏楽団や合唱団体、多くの住民が織りなす舞台は、川との共存の誓いを響かせる。忘れてならない歴史を人々の心に呼び起こす。
 気象庁は七月の天候を異常気象と総括した。記録的な雨が西日本を襲い、台風は本州を東から西へと予想外の進路を取った。新しい台風が近づく。暑さが戻る気配もある。人々の暮らしが、自然への大きな負担になっていないか。物語を見て考えたい。

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