県内ニュース

主要

  • Check

県版HACCP構築 来年度運用、食の安全一貫担保

 県は食品衛生管理の国際基準HACCP(ハサップ)に、放射性物質対策の視点を組み込んだ「県版ハサップ」を作り、二〇一九年度に運用を始める。食品加工や飲食などの事業者のうち、基準に沿った衛生管理を行う業者を県が認証。取引先や消費者に安全性を伝えて取引や購入につなげる。農産物の安全認証制度FGAP(ふくしま県GAP)と合わせ、原材料生産から加工・流通に至る食の安全を一貫して担保する仕組みを築く。
 九日、福島市の福島グリーンパレスで開かれた福島復興再生協議会で内堀雅雄知事が方針を示した。県版ハサップのイメージは【図】の通り。
 食品の原材料となる農産物の安全性を証明するGAPに対し、食品事業者が放射性物質対策を示す方法には保健所による抜き取り検査や自主検査などがある。ただ、抽出式の検査は個々の製品の安全性まで証明できず、乾燥や加熱など加工方法によっては放射性物質の濃度が原材料の段階と比べて濃縮される場合もある。
 県は東京五輪・パラリンピックを見据えて県産食品を国内外に広める上で、加工工程への不安感がハードルの一つになると分析。改正食品衛生法に伴い厳密な衛生管理を求めるハサップの導入が二〇二一年度に全食品業者に義務化されるのを前に、放射性物質対策の観点を加えた仕組みを構築する。
 県版ハサップでは各事業者が作る衛生管理計画に放射性物質対策を盛り込む。対策としては原材料の入荷先がGAP認証農場であることや、加工による放射性物質濃度の変化を示すことなどを想定している。計画に沿った製造・加工がされているかを県が確認し、認証する。関係団体との協議などを経て、二〇一八年度内に業種ごとの手引を発表する方針だ。認証した事業者に共通マークを交付したり、リストを公表したりして取引企業や消費者への周知を図る。
 県は各地で開いている中小・小規模事業者向けのセミナーなどで浸透を図る。
 内堀知事は九日の協議会で県版ハサップの実現に向けた財源確保などを国に要望した。閉会後、報道陣に対し「風評という他県にない厳しい状況にある本県が食品衛生の客観的認証を構築することで(県産食品の)安全性がより高まる」と取り組みの狙いを語った。
   ◇  ◇ 
 ハサップは清掃や温度管理などに加え、原材料の入荷や製造・加工、出荷の各段階で食中毒や異物混入などの危険を分析し、記録に残す衛生管理の手法。県によると、県内では飲食店や菓子店、食品小売り、宿泊施設など約六万八千施設が対象だが、三月時点で導入しているのは千件程度にとどまる。

カテゴリー:主要

主要

>>一覧