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【磐越西線指定席】実現へ盛り上げを(8月14日)

 JR磐越西線は郡山市と新潟市を結ぶ。本県を代表する観光地である会津地方への誘客増の鍵を握るとともに、沿線の住民の足を確保する重要な役割を果たしている。安全で早く、定時に目的地に着くことはもちろん、指定席付き車両の導入など、快適さも大切になる。
 「会津に行きたいが、新幹線で郡山に行ってからの乗り継ぎ列車で指定席がない。座れないと疲れてしまいそうで心配」「お客さんを連れて行きたいが、磐越西線の座席の確保が不安だ」。東京都内で、こんな声をよく聞く。「秋の紅葉シーズンに出掛けたが、混んでいて座れず、落ち着かなかった」と残念がる声もあった。
 磐越西線には以前、座席指定できる定期列車が走っていたが、現在は廃止されている。今は観光列車「フルーティア」や豪華寝台列車「トランスイート四季島」といった乗車すること自体が主目的の列車を除き、日々走る普通列車と快速列車はいずれも自由席だ。このため、東京方面から東北新幹線で郡山駅で下車し、旅行バッグを手に磐越西線のホームに急いで向かう観光客の姿も見受けられる。
 会津地区の商工会議所、商工会、観光協会などでつくる会津方部商工観光団体協議会は昨年秋、郡山-喜多方間の磐越西線の快速列車への座席指定車両導入などを県に要望した。協議会事務局を務める会津若松商工会議所の担当者は「観光客はもちろん、住民からも指定席確保の要望は強い」という。
 高齢者はもちろん、会津地方から郡山経由で新幹線に乗り換えて遠方に旅行などに出掛けるときも、行き帰りの磐越西線でゆっくり座っていきたい思いは強いはずだ。地元での講演会の講師やお客を東京方面から招く際、座席指定がなく乗り継ぎ列車の本数の問題もあって郡山まで車で送迎するケースが多い。車では週末や観光シーズンは渋滞の心配があり、定時に着く鉄道の利便性の向上が求められている。
 観光地会津は猪苗代湖や裏磐梯、鶴ケ城や飯盛山、ラーメンやそばで有名な喜多方などがあり、首都圏での人気が高い。二年後の東京五輪に向けて外国人観光客の増加に期待が懸かる。一部区間が不通のJR只見線は復旧支援を拡大する改正鉄道軌道整備法が国会で成立し、全線運行開通を目指して復旧工事が始まった。会津地区の発展に欠かせない磐越西線の利便性アップに向けても、行政と民間、住民が一丸となって取り組んでいこう。(真田裕久)

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