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蔵はおもしろい(8月14日)

 会津若松市の蔵に落書きが残る。「会津のとのさん力がつよい 二十四万石棒にふる 会津肥後守[ひごのかみ]様」「官軍に攻め立てられて」。戊辰戦争時に建物を占拠した土佐藩士が記したとされる。文字の脇に品のない絵が添えられた。会津藩をあざ笑うかのようにも見える。
 歴史を刻んだ蔵は先月、街なか拠点「塩蔵2924」として生まれ変わった。野口英世青春通りにある複合文化施設「福西本店」の一角にある。中心市街地に活気を取り戻そうと行政と民間が手を取り合い開設した。飲食もできる憩いの場は、地域情報を知りたい市民や観光客で連日にぎわう。
 看板を掲げてから一カ月で、新たな芽を育んだ。ふくしま経済・産業・ものづくり賞(ふくしま産業賞)を受けた企業・団体が自慢の味や技を披露し、塩蔵から本県の「産業力」を発信した。第一弾として地元のパン店が、九日から十二日まで出品した。来店者との交流が新商品開発の参考になったという。
 福西本店内に十日、「店蔵」も誕生した。会津の食を中心としたえりすぐりの地場産品を並べる。歴史的建造物が再び輝き、まちづくりに変化を起こす。過去と現代の空気が入り交じる蔵は面白い。

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