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公共工事にICT導入 今秋にも県、復興事業に活用

 県は県内全域で行われる東日本大震災の復興関連事業などの公共工事に今秋にも情報通信技術(ICT)を導入する。衛星利用測位システム(GPS)や小型無人機(ドローン)を駆使し、連動して自動で動く重機などを活用して工期短縮を図り、被災地の早期復興につなげる。豪雨や大地震などの大規模災害発生時には、ドローンで被災現場を撮影し、被害状況を速やかに把握する。
 ICT活用工事については、二〇一七(平成二十九)年度に県中、いわきの両建設事務所が道路工事四件を発注した実績がある。工期短縮による県民の利便性向上につなげようと、今秋から県内八カ所の県建設事務所が扱う県管理の国道や県道、港湾、河川での造成や舗装工事の計十三件をモデル工事とする。
 ICTを活用した公共工事のイメージは【図】の通り。受注業者はドローンを飛ばして上空から現場を撮影し、立体的に測量する。測量データをICT対応の重機に入力するとともにGPS固定局を現場に設置すると、重機が位置情報に基づいて効率的に動くようになる。
 県によると、大規模災害の場合、被災現場の現状把握には通常三日程度かかる。しかし、ドローンを使えば一日で完了し、より早く本格的な復旧作業に着手できる。他県で先行実施されたICTのモデル工事では工期が二割から四割程度短縮されたという。
 ICT工事に必要な重機やドローン、コンピューターシステムの購入には数千万円が必要だ。このため、リースでの利用が一般的で月額六十~七十万円かかる。これらの経費が事業費に上乗せされることになるが、作業の効率化による工期短縮などで、ICTを使わない公共工事との費用差は規模によって小さくなるという。
 十三件のモデル工事に加え、業者からICT工事の申し出があれば機械のリース代や機械操作に必要な人件費などを工事費に加算する。また、国は機械購入やリースに活用できる補助金などの制度を設けており、業者に積極的な活用を促す。
 県がICT活用工事を本格的に導入するのは、少子高齢化による県内建設業者の人材不足に対応する狙いもある。県建設業協会によると、二〇一七年の協会加盟企業の従業員数は約七千三百人で、ピーク時の一九九七年に比べ六割減少した。このため具体的なデータはないものの、ICT対応の重機などを購入したり、借り入れたりする業者は増加傾向にあるという。一方、参入にはICTに詳しい人材育成が必要で、同協会は二〇一八年度から講習会を開催し、意欲的な業者を支援している。
 県技術管理課は「ICTを積極的に活用し、効果的な社会基盤の整備につなげたい」としている。

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