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来年度にも稼働 浪江の木材製造工場 公設民営、CLT生産視野

 浪江町に整備される大規模木材製造工場は、大型公共施設や住宅などに使う集成材の生産拠点として二〇一九年度にも稼働する見通しとなった。町が整備し、民間の事業者が運営する公設民営方式とし、年間生産量は県内有数規模の約一万五千立方メートルを目指す。国や県と連携して県産材の活用を進め、将来的には直交集成板(CLT)の生産も手掛ける。十六日までに概要が固まった。
 国、県などは二〇一六(平成二十八)年度に整備地を浪江町に選定した後、運営形態を協議していた。民間事業者の費用負担を軽減するため、復興庁の福島再生加速化交付金を活用して町が整備する。県内で製材に携わる事業者による企業連合体が運営し、新たな販路開拓などを通じて取引量の増加を図る。
 九月ごろまでに設計などの計画を公募した後、来年三月に着工、二〇一九年度の操業開始を目指す。稼働から五年後の年間生産目標を一万五千立方メートルに設定する。県によると、県内にはいわき市や郡山市、塙町の計四カ所に民間の集成材製造拠点があるが、多くは住宅向け集成材の製造を担っている。浪江町では、木造住宅に加えて近年、集成材の需要が高まっている体育館など大型公共施設整備に供給できる体制を整える。
 大規模木材製造工場には放射性物質検査装置などを備えた選木施設、製材・集成材を製造する工場棟などを設ける。県産のスギやカラマツなどを組み合わせ、耐久性に優れる集成材を生産する。製造実績を積み上げた後、強度や耐火性により優れるCLT生産に入る考えだ。
 整備場所は【図】の通りで、町の産業復興拠点である棚塩産業団地内の約八ヘクタールに整備する計画。物流を考慮し、常磐自動車道の浪江インターチェンジ(IC)や六号国道の近くを選んだ。

■販売先確保など課題
 県内では東京電力福島第一原発事故後、放射性物質の拡散や住民の避難で管理が行き届かない森林が増えた。県によると、二〇一七年度の森林整備面積は六千四百五十ヘクタールで、原発事故前の半分程度となった。避難指示解除や放射線量の低減で伐採可能な森林は増えており、県などは木材製造拠点の整備で被災地の林業振興や森林保全、雇用創出などにつながるとみている。
 一方、新たな木材製造拠点が目指す県産材の利用拡大に向けては、地元林業者と連携し、素材を安定して調達できる体制づくりや大口の販売先の確保などが課題になるとみられる。CLTは県内で災害公営住宅の建築などで活用が進んでいるが、県内の林業関係者からは将来的な導入に向けては普及促進のための取り組みや製造コストを削減する必要があると指摘する声もある。
 町産業振興課は「県産木材の需要拡大により大きな経済効果が生まれる。双葉郡をはじめ県全体の新たな産業振興の中核となるよう着実に整備を進めたい」としている。

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