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2歳児無事発見(8月17日)

 二十年ほど前、二本松市の山の中にある施設で家族と遊んでいた三歳の男の子の行方が分からなくなった。すぐ、大規模な捜索が始まる。周囲は森林に覆われていた。日没が迫る。見つからない。
 その日の捜索が打ち切られようとした時、責任者が訴えた。「小さい子どもはまっすぐ進む。小道から横にそれない範囲で捜索を続けてほしい」。責任者には同じ年頃の孫がいた。孫との遊びの中で、小さな男の子の行動を理解していた。姿が見えなくなって約八時間後の真夜中、無事発見される。施設から約五百メートル入った山林の木の根元に座り込んでいた。
 山口県で行方不明になった二歳の男の子が六十八時間ぶりに無事保護された。捜索ボランティアで現地入りした七十八歳の男性が見つけた。男性は二年前、大分県で二歳の女児の捜索にも加わっている。経験から男の子の行動を予測して捜し始め、三十分後に発見したという。
 二本松の出来事は、すぐに見つかり、あまり大きな話題にならなかった。経験と知識を全国で積み重ねていれば、今回はさらに早く保護できたかもしれない。ただ、本当に大切なことは、子どもから目を離さない。それが一番だろう。

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