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【会津信金の新基金】地域密着の活動に期待(8月23日)

 会津若松市に本店を置く会津信用金庫は日本財団の「わがまち基金」を活用した中心市街地のにぎわい創出事業を始める。日本財団が昨年から全国の信金を対象に助成金を交付している。県内では初めての支援となる。会津信金は、会津の伝統的なものづくりと連携した市街地活性化を目指す。新たな切り口からの新規事業を地域を挙げて応援していきたい。
 事業には会津若松まちづくり株式会社も加わり、三年計画で進める。会津信金が採択を受けた「わがまち基金」の助成金一千万円と信金独自の融資を元に会津若松まちづくり株式会社が事業展開する。市内の七日町通りや野口英世青春通りなどで空き家になっている歴史的価値のある建造物の利活用が軸となる。
 既に、二つの通りでは明治から大正の時代に栄えた商家や名家の蔵などの利用が始まっている。七日町通りの「七日町パティオ」にはカフェなどが出店、野口英世青春通りの「福西本店」は会津の地場産品のショップとして人気が高い。地元の企業や店舗にきめ細かく対応している会津信金が参入することで、歴史的建造物の活用が点から線、さらに面へとつながっていくと期待が広がる。
 伝統的なものづくりとの連携は会津塗や会津本郷焼、奥会津の編み組細工、昭和村のからむし織などの誘致を検討している。会津自慢の品を風情ある施設で販売する。それぞれの産地には、ぜひアンテナショップとして出店してほしい。さらに、歴史的建造物と観光・文化施設との連携にも積極的に取り組む。会津ならではの伝統産業が観光客に知られる機会が増える。会津信金には、全国の信金ネットワークをフル活用して事業を成功に導くような連携策を求める。
 「わがまち基金」は昨年四月に設けられた。第一回の助成を受けている長野信金の長野市中心市街地活性化事業は、観光地でもある善光寺門前を主な支援地域としている。空き家が目立つ状況が続き、長野市、商工会議所などと創業支援情報共有プラットフォームを創設して空き家を活用した創業支援の協力体制を築いた。
 長野信金は「まちづくりアテンダント」と呼ばれる若手女性職員を専従で配置し、詳細な空き家情報などを提供している。その上で、創業前や創業一年未満などの事業者に応援金を交付している。「まちづくりアテンダント」のような担当者は地域密着を掲げる信金ならではの戦略として参考になる。(安斎康史)

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