あぶくま抄・論説

あぶくま抄

  • Check

40回目の釈迦堂川花火(8月24日)

 もうすぐ夏が行く。朝晩とも少しずつ過ごしやすくなってきた。晴れた夜は、うちわ片手に浴衣姿で夕涼みに出掛けるのも趣深い。花火大会があれば、うってつけとなる。 日本煙火協会によると、東京・隅田川で一七三三(享保十八)年に開かれたのが始まりとされる。前年に起きた大飢饉[ききん]と疫病による死者を弔うためだった。当時は色とりどりの火薬はなく、輝きの強弱で表現していた。彩りが豊かになるのは、明治時代に入ってからという。
 須賀川市の釈迦堂川花火大会にも鎮魂の願いが込められている。ある事件の被害者を慰霊しようと、翌年の一九七八(昭和五十三)年、灯ろう流しに合わせて打ち上げられた。重い気分のままでいた市民の心に明かりをともす。以降、一度だけ水害で中止になった。東日本大震災があった年は、犠牲者を悼み、復興の機運を盛り上げるため続けられた。
 初めは百発程度だった。今は一万発を誇る大きな観光行事として定着した。今年で四十回目を数え、あす二十五日に記念大会が開かれる。二尺玉が六年ぶりに復活する。光輪の高さ、直径とも約五百メートルにも達する。多くの観客の祈りを乗せて、天空にきらめきを放つ。

カテゴリー:あぶくま抄

あぶくま抄

>>一覧