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女子大生の思い(8月26日)

 女性を復興の担い手とする県の取り組みが動きだした。県内の主婦や会社員、地域おこし協力隊員ら十四人が集う。避難地域の中でも富岡町に焦点を当てた。視察や住民との交流を通して、被災地の今を学ぶ。
 メンバーになった女子大生は富岡を古里と慕い、再生を願う。父の転勤で幼稚園から小学二年までの四年間、この町で過ごした。地域の人たちが声援を送ってくれた運動会、富岡川で開かれた夏祭り…。催しだけではない。多くのお年寄りは、学校帰りにいつも笑顔で「お帰り」と声を掛けてくれた。全てがいい思い出として残る。
 原発事故で傷ついた古里のために何かできないか-。取り組みを知り、すぐに申し込んだ。避難者を支援する「おだがいさまセンター」の担当者から町民が抱える悩みを聞いた。語り人として現状を発信し続ける女性の思いに強く共感した。友達と一緒に遊んだ商店街は、建物がほとんど解体され更地になっていた。
 えびす講市が昨年、七年ぶりに復活した。地元に戻った人と一緒に十一月、運営に携わる。町民はもちろん双葉郡内の人が楽しみに待つ。にぎわいを取り戻す手助けになればいい。思いはさらに強くなった。

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