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白河提灯まつり(8月30日)

 一九二八(昭和三)年九月十四日付の本紙に白河市の鹿嶋神社祭礼「白河提灯[ちょうちん]まつり」の記事が載る。〈手ちがいでもあったものなら、それこそ上を下への大乱闘化す、これ喧嘩[けんか]祭りの称ある故である〉。
 祭りは二年に一度、開催される。今年は九月十四日から三日間、市内の中心市街地で繰り広げられる。「儀式まつり」の別名を持つ。若い頃に神社みこしを担いだお年寄りは振り返る。「口上を間違えたり、よその町内に失礼があったりしたら大きなもめ事になった」。今でも緊張感は変わらない。
 ご神体が遷座[せんざ]されたみこしは初日、市内二十三町の提灯行列と一緒に阿武隈川を渡る。大きな見せ場の一つとなる。みこしは二日間かけて各町を練り歩く。無事に到着したことを告げる厳格な「口上」と共に引き渡される。段取りは年長者から若者へと受け継いできた。形やしきたりを大切にすることが、地元への愛着と誇りを育む。
 夕方になると、子どもたちがおはやしを練習する。音色が至る所から聞こえてくる。心待ちの祭事に、大人も気持ちを高ぶらせる。約三百五十年の歴史に支えられた伝統の祭りは、住民同士の絆を改めて確認する機会となる。

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