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身勝手な言い訳(9月1日)

 公務員は「原則として」や「例外」の言葉を、都合よく使いこなす術[すべ]を心得ているらしい。国と地方の役所が、職場で働く障害者の人数を多く見せかけたり、誤って数えたりしていた。言い訳には身勝手さがにじむ。
 企業は数値を達成できなければ、納付金を支払う。行政は法令をつくる側であり、率先して手本を示す立場にある。官に甘く、民に厳しい裏切りといえる。民間には官尊民卑とさえ映る。守らない役所には一定の罰や懲戒が求められよう。
 二十年ほど前、本県を含む地方の役所で、公費が不正に使われた問題が明るみに出た。架空の出張といった手法で裏金をつくり、流用していた。個人の判断というよりも、組織ぐるみの悪い慣習が背景の一つにあった。地方の役人が国の役人を公費でもてなし、飲食する官官接待も批判された。国にも地方にもお手盛りの意識がまだ残っているのだろうか。
 水増しは行政だけでなく、国会や裁判所にも広がっていたようだ。政府は全国調査を始める。意欲や技能を持つ障害者が、働く機会を狭められた可能性がある。不適切か、不手際か、それとも不正か。国民は不祥事の言い訳と責任逃れにうんざりしている。

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