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【自民党総裁選】地方への訴えを促す(9月8日)

 自民党総裁選に安倍晋三首相(総裁)と、石破茂元幹事長が立候補した。
 北海道で震度7を観測した地震に伴い、演説会などの日程が変更された。選挙活動も九日まで自粛する。政策を訴える期間が短くなったり、機会が先送りされたりする。党員や党友が投票する前に論戦の内容や様子を全国に早めに行き渡らせる工夫が大切だ。
 県内で二人がそろう街頭演説や討論会は今のところ、予定されていない。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の被災地として、党員や党友は本県再生に向けた決意や訴えを直接、聞きたいと感じているはずだ。国会議員や党県連は文書による回答も含めて、党本部や両氏への働き掛けを検討してほしい。
 総裁選は党の規程に基づき行われる。公職選挙法による国会議員や地方の首長、議会議員の選挙とは仕組みが異なる。党員投票の選挙人資格は、日本国籍がある二十歳以上で(1)平成二十八、二十九年の二年の党費を納めた党員(2)同じ二年の会費を納めた自由国民会議会員(党友)-などを満たすことを条件とする。
 特例として二十九年に新たに党費や会費を納めた党員ら(十八歳、十九歳を含む)にも選挙権を与える。公選法の選挙権や、国民投票法の投票権の年齢引き下げと釣り合いを取った形といえよう。
 党県連によると、県内には選挙人が一万六千二百二人いる。投票は郵便の往復はがきで行う。開票前日の十九日までに福島市の福島中央郵便局に必着で届くように差し出す。二十日に市内の党県連会館で開票する。
 選挙戦となった六年前の本県の投票率は約57%だった。一人でも多くの党員や党友が投票し、本県の要望の強さを数字で全国や党本部に示す必要がある。十代を含む若い党員らには、ぜひ投票するように期待する。
 政党は世の中のさまざまな意見や利害を取り上げたり、集めたりしながら、政策をまとめる。日本国憲法が保障する「結社」(一定の目的のために団体を結成すること)の一つと一般的に理解されるが、憲法の条項には政党についての直接の言及はない。憲法改正の論点の一つであり、自民党は改正草案に政党に関する条項を掲げた。
 各党は来年の参院選や、統一地方選に向けて党勢の拡大を目指す。国民が納めた税金などを財源に、国が政党を助成する制度は始まって二十年余りがたつ。憲法での位置付けや、助成制度の課題を含めて政党の在り方を改めて議論するべきだ。(安田 信二)

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