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キューバ移住120年(9月9日)

 中米のカリブ海に浮かぶ島国にキューバがある。一八九八(明治三十一)年に日本人が初めて定住のため渡った。今年で百二十年になる。砂糖景気を背景に、本県出身者も海を越えた。
 太平洋戦争中は親米政権の方針で約三百五十人の日系人が強制収容された。戦争が終わる翌年まで続く。二年前に見つかった収容者の名簿には本県出身とされる十三人の名前が含まれていた。不幸な歴史を忘れてはならない。現地の日本大使館によると、現在は約千二百人の日系人が農業や商業、芸術などの分野で活躍している。
 節目を記念したフェスティバルが二十三日、郡山市で開かれる。キューバの文化を紹介しようと市内有志が企画した。日本のラテン音楽界で活躍する森村献さんのバンドが駆け付け、軽快で情熱的なサルサなどの演奏を響かせる。現地の日系人にもなじみが深いキューバ音楽の魅力に触れる、またとない機会になる。
 長年、対峙[たいじ]してきた米国との国交回復のニュースは記憶に新しい。クラシックカーのタクシーや世界遺産の町並みなどで知られ、日本人観光客の人気を集める。懸け橋となってきた先人に思いを巡らせれば、遠い異国が身近になる。

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