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異国の野球盛り上げ ニカラグア初、女子チーム創設

 いわき市の元青年海外協力隊員の阿部翔太さん(27)は、政情不安が続く中米ニカラグアの女子野球選手を日本に短期留学で招く取り組みを始める。いわき市や東京などで地元チームとの交流を楽しんでもらうほか、日本女子プロ野球リーグ(JWBL)の練習にも参加する予定だ。阿部さんはニカラグアに派遣され、同国初の女子野球チームを創設するなど活躍。反政府デモで帰国を余儀なくされたが「何とか支援したい」と決意した。
 阿部さんは同市出身。いわき光洋高、桜美林大野球部で野手として活躍した。結婚式場に就職したが、野球への思いが消えず退職。協力隊員となり二〇一六(平成二十八)年十月、野球技術指導者として現地へ向かった。
 ニカラグアは野球が国技だが、男性のスポーツという認識だ。しかし、十八歳以下の男子代表ヘッドコーチなどを務めながら各地で野球教室を開催したところ、女子の参加希望者が続々と現れた。「こんなにいるなら…」と現地の野球協会に掛け合い、同国初の女子チームを創設した。
 大きな話題を呼び、後続のチームが各地に次々と誕生。同年六月には首都マナグアを中心に八チームによるリーグ戦が設立された。リーグ戦は阿部さんの名前を冠し「リガ・ショータ」と命名された。同国内ではチーム数が十五に増えるなど女子の野球人気が広がっている。
 しかし、二期目のリーグ戦開幕を控えた今年四月、社会保障制度を巡りニカラグアで大規模な反政府デモが始まった。阿部さんが指導するチームも練習中に銃声が響き、選手がベンチの下に避難するなど野球ができる環境ではなくなった。阿部さんは六月、十月までの任期を残し帰国を余儀なくされた。
 実家に戻ってからも教え子とのメールのやりとりが続いた。「野球が上達するにはどうすればいいの」。過酷な状況でも前向きな言葉に心が揺さぶられ、世界で唯一、女子のプロ野球がある日本への野球留学を企画した。
 十一月初旬に現地から数人を招く。十日間の日程で阿部さんの母校・いわき光洋高を訪問するほか女子プロ野球チームとの合同練習などを行う。阿部さんの活動に賛同した女子日本代表の橘田恵監督らがコーチを務める予定だ。
 阿部さんは「将来的に日本のプロリーグにニカラグアの選手が参加できる環境をつくりたい。長期的な支援を行うためにNPOも設立したい」と夢を広げている。

■選手の遠征費ネットで募集 目標金額116万円

 阿部さんはクラウドファンディングで、ニカラグア女子選手の遠征費用を募っている。目標金額は116万円、期日は10月5日午後11時まで。支援金額に応じて、ニカラグア産のコーヒーや選手歓迎会への参加などを返礼する。申し込みはインターネットで「ニカラグア女子野球を救いたい」と検索する。問い合わせは阿部さん 電話080(5551)9310へ。

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指導した女子選手と記念撮影する阿部さん(左から2人目)=ニカラグア
指導した女子選手と記念撮影する阿部さん(左から2人目)=ニカラグア

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