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電気を送る責任と負担(9月15日)

 秋の深まりとともに、北の大地の冷え込みは進む。北海道稚内市内で去る十一日、早くも氷点下を観測した。これからの季節は暖房に使われる電気の量が増す。
 最大震度7の地震によって、広域で規模の大きい停電に見舞われた。ほぼ復旧し、明かりが戻ってきた。ただ、道内で最大の火力発電所が元通りになるには時間がかかりそうだ。暮らしや産業への影響が心配されている。十四日に節電の目標は見直されたが、厳しさや危うさが消えたわけではない。協力の呼び掛けは続く。
 東日本大震災で、誰もが電気のありがたさを感じた。災害はいつ、どこで起きるのか分からない。太陽光や風力の設備を増やしたり、原発が動いたりしていれば、電気が途絶えることはなかったのだろうか。さまざまな見方が語られる。冷静な検証が欠かせない。
 電力会社を批判するだけでは問題の解決につながらない。消費者は電気の買い入れ先を自由に選べるようになった。大手電力会社の発電する部門と、送配電する部門を分ける新しい仕掛けが取り入れられる。電気を取り巻く状況が変わる中で、安定してつくり、確実に送り届ける責任と負担の在り方を改めて探ろう。

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