あぶくま抄・論説

あぶくま抄

  • Check

夜間中学の校歌(9月17日)

 福島市の福島駅前自主夜間中学にはさまざまな人が教壇に立つ。元教員や元官僚、薬剤師、主婦、農家…。ある音楽家が興味を持った。福島市育ちの大友良英[よしひで]さんだった。雑誌の記事で知った。現在、音楽の授業を担当する。
 生徒から「校歌をつくってほしい」と声が上がる。大友さんを中心に、歌づくりが始まった。今月二日の授業で生徒が歌詞を考えた。「月や星を友として」「ゆっくりでも自分らしく」「スタートはいつからでも」「吾妻の山の種まきうさぎ」。自分たちの学校にふさわしい言葉を出し合う。ギターや口笛、ハーモニカで即興演奏にも挑戦した。音楽を学ぶ楽しさを改めて感じる。
 教え子の歌詞に大友さんがメロディーをつける。幅広い世代が一緒に明るく歌える曲を目指し、今年度中に譜面を仕上げる。CDに収録し、多くの人に聞いてもらう構想も浮かぶ。校歌がある夜間中学は全国でも珍しいという。
 開校から八年目を迎えた。学歴や職業、国籍に関係なく十代から八十代までの生徒十人が通う。事情を抱えながらも学ぶ意欲にあふれる。校歌には学びやに誇りを持つ力がある。仲間と共に声高らかに歌う日を、生徒は心待ちにする。

カテゴリー:あぶくま抄

あぶくま抄

>>一覧