あぶくま抄・論説

論説

  • Check

【ヘルプマーク普及】白河4市村を参考に(9月18日)

 県内で「ヘルプマーク」を住民に配る自治体が増えている。郡山市に続き、白河市と西郷、泉崎、中島の三村が始めた。外見では分かりにくい障害のある人が援助してほしいとき、周囲に知らせる。普及が十分に進んでいるとはいえず、定着させるには広域的な取り組みが必要となる。
 ヘルプマークは赤地に白い十字とハートを記す。日本工業規格(JIS)に認証され、大きさや色は全国共通だ。衣服やかばんに取り付けられる。義足や人工関節を使う人や、心臓や腎臓に病気がある人、難病がある人が持ち歩く。妊娠初期の人も配布の対象者となる。
 障害者を支えるため市町村や地域ごとに自立支援協議会が組織されている。「しらかわ地域」として連携する四市村は、生活圏が同じで、地域全体で普及させるため歩調を合わせた。「ヘルプカード」も併せて作り、申請者に一緒に配る。カードには名前、住所、かかりつけの医療機関、障害や病気名、緊急連絡先などを記入できる。
 白河、西郷、泉崎の三市村は八月一日から扱っている。白河、西郷は共に一カ月間で約百セットを配布した。泉崎はまだ、わずかだという。中島は九月一日に始めた。同じ協議会に加わる矢吹町は来年度に配布する方向で検討している。
 各市村の担当者は課題として障害者、住民ともに認知度が低い点を挙げる。チラシの回覧、公共施設へのポスター掲示で啓発する。今後も一層の浸透を図ってほしい。装着する人に出会ったときは(1)電車やバスで席を譲る(2)駅や商業施設などで声を掛ける(3)災害時には安全に避難するための支援をする-といった配慮が求められる。積極的に実践したい。
 マークは東京都が二〇一二(平成二十四)年に考案、配布した。その後、徐々に広がり、県内では郡山市が最初に二〇一七年九月からマークのみを配布している。全国ヘルプマーク普及ネットワークによると、九月七日現在、三十都道府県が導入を済ませた。本県は十二月までに、三千個のマークと千枚の啓発ポスターを未導入の市町村に配布する予定だ。希望者に行き渡るには数が足りず、マークそのものを広く知ってもらうよう生かすという。
 障害者差別解消法は、障害がある人もない人も、いきいきと生活できる社会をつくることを目指している。マークやカードの幅広い浸透も、その一環となるはずだ。導入する市町村が今後さらに続くことを願う。(川原田秀樹)

カテゴリー:論説

論説

>>一覧