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馬事公苑の新発想(9月22日)

 美しい自然林に囲まれた南相馬市郊外の馬事公苑[こうえん]に九月八日、約三百台の大型二輪車が並んだ。全国のバイク乗りが「シーサイド・サンin南相馬」に集った。広場にはテントが立ち、特設舞台では音楽が鳴り響く。
 始まりは海辺周辺を会場にした催しだった。しかし、東日本大震災による津波の被害で、それまでの場所が使えなくなる。震災後は市内の中心部にある雲雀[ひばり]ケ原祭場地を借りた。復興とともに大きな音が問題となり、市街地で開くのが難しくなった。新たな候補地として白羽の矢を立てたのが、阿武隈山系の麓に位置する馬術の拠点だった。
 馬事公苑は雲雀ケ原祭場地から南西へ約四・五キロ先にある。一九九五(平成七)年のふくしま国体の馬術会場として整備された。広大な二十八ヘクタールの敷地には競技用の馬場や厩舎[きゅうしゃ]が配置され、全国有数の競技場となった。ただ、馬術関係者以外は、施設の価値と可能性を知る人は少なかったという。
 豊かな緑の台地にあり、十分な駐車場を備える。周囲を気にせず大人数の催しを企画するには絶好の場所だろう。二十三日には「騎馬武者ロックフェス」でにぎわう。発想を変えた先に、新たな交流の輪は広がる。

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