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宝の山からの贈り物(10月4日)

 裏磐梯で宿泊業を営む経営者が嘆く。連日の猛暑に外出を控えたのか、今夏は客足が遠のいた。お盆すぎの長雨と台風が追い打ちを掛けた。昨年までに宿泊者は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故前に戻りつつあった。悔しい思いを抱く。
 天候に泣かされてばかりでもいられない。古里には豊かな自然がある。客足を取り戻そう-。猪苗代、磐梯、北塩原の三町村商工会が声を掛け合った。七日に北塩原村の道の駅裏磐梯で物産展を開く。「宝フェア」と名付け、地元産品だけを並べる。
 昨年、初めて開き、予想以上のにぎわいに手応えを感じた。今年は新たに四軒が加わり、十二店舗が自慢の逸品を並べる。会津山塩ヤキトリ、ワカサギ甘露煮、磐梯山コロッケ、ナツハゼジャム、地酒…。人気商品ゆえに地元でしか味わえないB級グルメも売り込む。三町村で採れるそれぞれ自慢の天然水の飲み比べもできる。
 磐梯山は宝の山と民謡で歌われ、会津の人々は自然と口ずさむ。新緑、深緑、紅、白銀と、四季の移り変わりを告げながら、地域に数多くの恵みをもたらす。ゆっくりと秋色に染まり始めた高原には、宝の山からの贈り物があふれている。

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