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休眠特許活用へ官民組織 中小企業の製品開発支援

 県は、県内の大手企業が保有する未使用の「休眠特許」を中小企業に紹介し、新製品の開発につなげる体制を二〇一九年度にも構築する方針を固めた。仲介役となる官民連携チームを年明けにも設置。大手企業が持つ特許の利活用の実態を調査するとともに、商談会などを通じて新ビジネスの創出に向けた企業同士の商談を橋渡しする。中小企業に下請け型から開発・提案型への転換を促して経営基盤の安定につなげ、県内産業の底上げを目指す。
 事業のイメージは【図】の通り。チームは県のほか知財の相談業務を担う県発明協会、金融機関、各地域の中小企業支援機関などで構成する方針。担当者らが大手企業を個別訪問し、保有する特許の利活用状況などを確認する。大手・中小企業を集めた商談会に加え、休眠特許による新製品開発が見込める中小企業の選定なども想定している。
 特許の権利を維持するには毎年、特許庁に登録料を納付しなければならない。特許を使用していなくても手続きが必要で、十年間に四十万円程度かかるとされる。体制が整えば、中小企業は新たな製品づくりの機会が広がる一方、提供元の大企業は特許の使用料収入が得られるなど双方に利点がある。
 休眠特許の仲介支援事業は川崎市が先進自治体として知られる。二〇〇七(平成十九)年度から本県と同様の取り組みを実施しており、「川崎モデル」と呼ばれる。県は二〇一九年度、川崎モデルの実績も参考にしながら数社の商談をまとめたい考えだ。
 中小企業庁のまとめでは、中小企業基本法に基づく県内の中小企業は六万一千五百六十六社(二〇一四年時点)に上る。部品の加工や製造などの下請け事業者が中心で、大手企業の発注動向によって経営状況が左右されやすいのが実情だ。
 県内では浜通りなどを新産業の先進地とする福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想が進められている。県内産業の底上げにつなげるには、知財を活用して中小企業の経営体質改善と強化を図る必要があると判断した。
 県産業創出課は「個別訪問時に取り組みの利点などを丁寧に伝え、事業に理解を求める。県外の大手企業との連携も模索したい」としている。

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