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【知事選告示】若者の夢育てる論戦を(10月12日)

 任期満了に伴う知事選が告示された。再選を目指す現職内堀雅雄氏に新人三人が挑む。選挙権年齢が満十八歳以上になってから本県で初の知事選だ。若者の政治参加意識を高め、明日の福島づくりを促す選挙戦を期待する。
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興に対する内堀県政四年の施策を評価し、本県の行方を決める大事な選挙となる。福島第一、第二両原発の廃炉を巡る政府や東電との交渉、「復興・創生期間」が終わる二〇二〇年度末以降の息の長い復興策、財源確保などは誰が知事になろうと直面する難題だ。少子高齢化や過疎対策、地域活性化などの課題も広大な県土に山積する。有権者は候補者の訴えをよく聴き、的確な判断を下さなければならない。
 新人は自営業の金山屯氏、IT会社経営者の高橋翔氏、共産党県委員長の町田和史氏。内堀氏は自民党県連と公明党県本部、国民民主党県連・社民党県連・立憲民主党県議・無所属県議・連合福島による「五者協議会」の支援、町田氏が共産党の推薦を受けた。金山、高橋両氏は組織を持たず個人戦に徹する構図だ。
 政党や団体の支援を受けた候補者は組織力を生かした戦いを展開できる強みがある。だが、組織の思惑だけで動かれては困る。政党や団体に属さない大勢の有権者が訴えに耳を傾けていることを忘れてはならない。一党一派に偏しない県民本位の戦いを望む。
 投票率に注目したい。知事選で初めて投票する十八、十九歳の若者の投票行動が鍵を握る。四年前の前回は過去最多の六候補者が出た戦いだったにもかかわらず投票率は45・85%と、過去二番目に低い結果に終わった。二十代は23・71%で県平均の半分にとどまる。二十代前半ほど低くなる傾向があった。今回は関心の低さを心配する声が聞かれる。県や市町村の選管委は啓発に力を入れる必要がある。
 天皇陛下の退位、新天皇の即位と改元、東京五輪・パラリンピックなど県民にとって節目の出来事が相次ぐ。不透明さを増す国際情勢、科学技術の発達など暮らしを巡る状況は日々変化している。目まぐるしい動きに対応し、社会の活力を維持発展させるには若者の力が欠かせない。
 「福島は希望に満ちている」「夢を実現するなら福島で」。そう実感させる県土づくりのデザインを候補者は描き、選挙戦を通じて若者の心に届けてほしい。「誰が知事になっても同じ」と言われるようだったら、候補者はもちろん大人全員の「敗北」と考えるべきだ。(鞍田炎)

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