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王国の美声高らか 全日本合唱中学部門

 ふくしまの美しい調べが全国の舞台で響き渡った。二十八日に長野市のホクト文化ホールで行われた全日本合唱コンクール全国大会中学校部門では、混声で郡山五が金賞と一位相当の文部科学大臣賞、郡山二が金賞と二位相当の長野市長賞、須賀川二が金賞を受けた。同声でも福島一が金賞、若松四と二本松一が銀賞に輝き、前日の高校部門に続いて県勢が実力を示した。

■曲の世界観追究 混声・金賞文科大臣賞 郡山五

 金賞と一位相当の文部科学大臣賞がコールされると、郡山五の生徒は感激した様子で抱き合った。涙を流しながら表彰状を受けた奥田敦也部長(三年)は「積み重ねてきた練習の成果を出し切った。素晴らしい賞をいただき、頑張ってきたご褒美になった」と喜んだ。
 「クリスマスのための四つのモテット」から「1.O magnum mysterium(大いなる神秘)」「3.Videntes stellam(賢者たち星を見て)」「4.Hodie Christus natus est(今日キリストは生まれぬ)」(プーランク作曲)の曲の美しい世界を表現した。
 「地道に誠実な練習をする」をモットーに、妥協せず曲の世界を研究してきた。米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が高校時代に使っていた「目標達成シート」を取り入れ、自分たちが取り組むべき課題を明確にして練習を重ねた。顧問の小針智意子教諭は「限界を決めずに追究してきた音楽が評価され、うれしく思う。終わりは新たなスタート。結果を励みに生徒にはさらに成長してほしい」と笑顔を見せた。

■意見出し合い成長 混声・金賞長野市長賞 郡山二

 金賞と二位相当の長野市長賞を獲得した郡山二の先崎真知部長(三年)は「全員で楽しく演奏した。聴いてくれる人たちに曲の良さを伝えることができた」と喜んだ。
 「Cantate Domino(主に向かって歌え)」(ラター作曲)ではラテン語と英語が交互に出てくるため、言い回しや意味を大切に表現した。「Lux Aeterna(永遠の光)」(エルガー作曲、キャメロン編曲)は優雅な曲調を表現するため、音の切れ目を感じさせない滑らかな歌い方を意識した。
 対照的な雰囲気の曲をうまくつなげようと部員が互いに意見を出し合い、朝や昼休みも練習に励んできた。顧問の佐藤美奈子教諭は「演奏中、一人一人の顔が輝いていた。今の自分たちを精いっぱい表現できた」と生徒をたたえた。

■「感動あふれる歌声継承して」 郡山市長

 郡山市の品川萬里市長は「郡山高に続き、郡山五中の二年ぶり五度目の日本一、そして郡山二中の十六年連続の金賞と二位相当の長野市長賞の受賞、誠におめでとうございます。生徒の皆さんのたゆまぬ努力とそれを支えてきた関係者の皆さまに心から敬意を表します。これからも感動あふれる歌声を継承してください」とコメントを発表した。

■夢のステージ心通わせ熱唱 混声・金賞 須賀川二

 金賞を受けた須賀川二の鴻野歩部長(三年)は「卒業した先輩方も全国大会出場を応援してくれた。良い演奏を届けられたと思う」と胸を張った。
 「Prelude(プレリュード)」(イェイロ作曲)は明るく華やかなイメージの曲に仕上げた。「Agnus Dei:Phoenix(平和の賛歌)」(同)は混声八部合唱で音の重なりの美しさを追求した。
 「こころからこころへ」をテーマに仲間と心を通わせ、聞く人の心に届くような演奏を目指した。日頃から「あいさつ・返事・気配り」を合言葉に演奏以外でも成長できるように意識している。
 顧問の上沢史子教諭は「八パートをそろえるのは大変だったが、生徒が素晴らしい集中力を発揮してくれた。夢のステージに連れてきてくれた」と感激した様子だった。

■「努力と支え心から敬意」 須賀川市長

 須賀川市の橋本克也市長は「須賀川二中の金賞受賞、誠におめでとうございます。皆さんの日々のたゆまぬ努力と、支えてきた教職員、保護者の皆さまに心から敬意を表します。今後のさらなる活躍を期待します」とのコメントを発表した。

■同声・金賞 福島一

 金賞を受けた福島一の室井菜々子部長(三年)は「全国の舞台での金賞はどうしてもかなえたい夢だった。最後の大会で悔いのない演奏ができた」と喜んだ。
 女声合唱とピアノのための「犀星緋歌」から「1朱の小箱」(室生犀星作詩、鈴木輝昭作曲)は憧れの人へのあふれる思いを歌声に乗せた。無伴奏女声合唱のための「フォルテは歩む」から「1.ガリレオの望遠鏡」「5.フォルテは歩む」(永井陽子短歌、信長貴富作曲)は、歌詞に用いられた短歌を少人数ならではの繊細なハーモニーで表現した。
 東北大会以降は日本語の美しい発音とハーモニーの洗練を特に意識して磨いてきた。顧問の矢内香奈子教諭は「練習したことを伸び伸びと発揮してくれた。頑張りが成果として表れてうれしい」と頬を緩めた。

■「心一つに練習継続した成果」 福島市長

 福島市の木幡浩市長は「福島一中の金賞受賞、誠におめでとうございます。このたびの快挙は、合唱部の皆さんが先生のご指導やご家族の応援の下、これまで心を一つに絶え間なく練習を続けてこられた成果です。心からお祝いを申し上げます」とコメントを寄せた。

■難曲今ある力出し切る 同声・銀賞若松四

 銀賞となった若松四の小山知夏部長(三年)は「天女が舞うイメージで、自分たちができる最高のハーモニーを披露できた」と演奏を振り返った。
 無伴奏女声合唱のための「古謡三章」から「2.羽衣」(世阿弥元清謡曲、鈴木輝昭作曲)を歌い上げた。三年前から古謡三章を選曲し、「3.殺生石」「1.巴」に続く最後の曲に挑んだ。天女と白龍のやりとりを伸びやかな声で表現した。
 発声練習やパート練習などを中心に、先輩が後輩に率先して教えるなどして力を伸ばした。
 顧問の小寺真紀教諭は「難しい曲だったが、今ある力を出し切れた」と目を細めた。

■本番直前まで表現探る 同声・銀賞二本松一

 「部員全員が楽しく演奏できた。作品の世界観を自分たちなりに表現できた」。銀賞を受けた二本松一の佐久間美帆部長(三年)は満足した様子を見せた。
 無伴奏女声合唱のための「炎の挽歌~万葉集 巻第二 柿本人麿の三首の挽歌による~」から「3妻への挽歌」(柿本人麿挽歌、西村朗作曲)を、妻を亡くした男性の感情をイメージし、大切なものを失った悲しみに思いをはせながら歌った。
 歌詞や万葉集を学び、意味を自分たちで考えた。顧問の佐藤祐子教諭は「本番直前のぎりぎりまで表現を探った。よく頑張った」と話した。

■「品格ある演奏」 県合唱連盟菅野理事長

 全日本合唱連盟副理事長として大会運営に当たった菅野正美県合唱連盟理事長は「(高校部門と中学校部門に出場した)県勢八校のうち六校が金賞に輝いた。特に高校と中学混声は一、二位を独占し、素晴らしい結果を残してくれた」と語った。さらに「福島県の出場校は品格のある演奏を見せてくれた。この流れを今後も維持してほしい」と述べた。

■県勢以外の成績

 ◇混声▽金賞・長野市教育委員会賞=牛久一(茨城)▽金賞=武里(埼玉)
 ▽銀賞=富山大人間発達科学部付属(富山)山口大教育学部付属山口(山口)松戸一(千葉)府中四(東京)琴似(北海道)信州大教育学部付属長野(長野)
 ▽銅賞=大分大教育学部付属(大分)島根大教育学部付属(島根)広嶺(兵庫)綾南・国分寺(香川)
 ◇同声▽金賞・文部科学大臣賞=西南部(石川)▽金賞・長野市長賞=豊島岡女子学園(東京)▽金賞・長野市教育委員会賞=山鹿(熊本)▽金賞=清泉女学院(神奈川)国府台女子学院(千葉)真栄、琴似(北海道)帯山(熊本)
 ▽銀賞=出雲一(島根)武庫川女子大付属(兵庫)新居浜東(愛媛)三島(栃木)萩山(愛知)五十鈴(三重)文の里(大阪)
 ▽銅賞=伊勢崎三(群馬)矢巾北(岩手)菊陽、日吉(熊本)西条南(愛媛)鷹匠(兵庫)

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金賞と文部科学大臣賞が決まった瞬間、笑顔で喜ぶ郡山五の部員
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金賞と長野市長賞に輝き、手をたたいて喜ぶ郡山二の部員
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