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【感染症への備え】予防の基本を確実に(11月19日)

 風疹の全国的な流行が止まらない。感染症の一つで、くしゃみや咳[せき]をした際の飛沫[ひまつ]により人にうつる。一度、発症すれば大部分の人はその後かからないが、免疫がないと感染しやすい。予防には、うがいと手洗い、マスクの着用が大切だ。ワクチン接種も効果のある予防方法になる。基本的な取り組みを改めて確認し、確実に実践しよう。
 国立感染症研究所の最新情報によると、全国の風疹患者は今年一月から十一月四日までの累計が千八百八十四人に上った。昨年一年間の九十三人の二十倍となった。女性の三百四十五人に対し、男性は千五百三十九人で、特に三十代から五十代が目立つ。ワクチンが定期接種になっていなかったなどの理由で免疫が十分でないとみられる。県内では今年、二十代から五十代までの男性七人の感染が確認された。昨年はいなかった。
 免疫がない妊婦が感染すると、生まれてくる乳児が心疾患や難聴、白内障を引き起こす可能性がある。妊娠中の女性は予防接種を受けられない。周りの人が気配りし、注意しなければならない。
 県は二〇一三(平成二十五)年度、市町村に対する助成事業を始めた。昨年度、四十八市町村が利用し、今年度は五百九十七万円の経費を確保している。免疫を持つかどうかを調べる抗体検査の費用は、国と県が二分の一ずつ補助し、住民の負担は生じない。ワクチン接種料は県によると、風疹のみが七千~八千円ほど、麻疹混合が一万~一万二千円ほどという。県は接種料も二分の一を補助する。一部の市町村では独自に補助し、条件により無料となる場合もある。県健康増進課は「各市町村の担当窓口で確認してほしい」と話す。
 インフルエンザも感染症だ。十一月ごろに流行が始まり、翌年一月から三月にピークを迎える。年間の患者数を比べる場合、第三十六週(今年は九月三~九日)が起点となる。県に定点医療機関から報告があった今季の患者数は第四十五週(十一月五~十一日)まで八十二人となり、昨年同期より九人多い。
 予防方法は風疹と同じだが、何度も発症する。お年寄りが感染すると重篤になりやすい。各市町村は、原則として六十五歳以上の人にワクチン接種費用を助成する。任意接種を受けた従業員に対して費用の一部を補助する民間事業所もある。三千~四千円ほどの料金がかかるが、少ない自己負担で済む。
 感染症の拡大を防ぐため、これらの制度を積極的に利用するべきだ。(川原田秀樹)

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