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見守り(11月25日)

 出張先の東京で、人けのない路地裏を歩いた。白い高級外車が止まる。中年男性から話し掛けられた。「これ、あげる」。車から小さな箱を差し出す。中身を想像したら何となく怖くなった。思わず逃げ出した。
 見ず知らずの人に近づかれると、大人でも身構える。まして子どもはより不安を感じる。十一月に入り、福島市で少なくとも三件の不審者情報が寄せられた。幸い大きな事件を招いていない。男がカッターナイフのような物を持っていたとの目撃談もあったが、怪しい人でなかった。
 県警本部は子どもを犯罪から守る新しい活動を始めた。企業やタクシーなどの業界と協力して「ながら見守り」に取り組んでもらう。従業員が通勤や帰宅途中、あるいは外回りに出たときに子どもに注意を払う。県内の十八歳未満への声掛けは昨年、百六件あり、五年前のほぼ倍に増えた。防犯に関わる人だけでなく、地域全体で警戒しよう。
 ただ、最近は道で子どもたちと朝夕のあいさつを交わそうとしたところ、逃げられた、との話を聞く。「おはよう」と呼び掛けられないのは寂しい。周辺にどんな人が住んでいるか。互いに分かっていれば安心感は格段に高まる。

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