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ラジオの挑戦(12月1日)

 上京して大学に進学した男性は、古里福島のラジオ番組にはがきを出した。淡い思いを寄せていた女性のために、彼女の好きな歌をリクエストした。採用され、曲が流れた。気持ちは届いたか。携帯電話のない時代だった。
 ラジオ福島はきょう開局六十五周年を迎えた。午前七時から午後三時まで特別編成番組を放送する。記念企画として「ラジオと私と音楽と」をテーマにメッセージを募った。県民の心に残る音楽や番組、出演者の話題を紹介する。仕事や家事、勉強の合間に聞こえてきた懐かしい声や音色と思い出がよみがえる。
 ラジオ福島のFM補完中継局(ワイドFM)は一日午前十一時から全八局の放送体制となる。聞こえにくい地域を減らし、災害対策に役立てる。中通りと会津は90・8メガヘルツ、浜通りは90・2メガヘルツに周波数を合わせると、AM放送の番組がFMの鮮明な音質で聴ける(一部地域を除く)。音楽ファンも楽しみにする。
 日本のラジオ放送は一九二五(大正十四)年に始まり、世相や喜怒哀楽を音声に乗せてきた。福島のラジオ局は東日本大震災の際に情報を送り続け、改めて存在感を示した。人と人を結ぶ温かい電波をこれからも届ける。

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