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変わらぬ気質(12月2日)

 警察官の採用試験に受かった新人巡査は、福島市の県警察学校で教養と実践を深める。安全と安心を守るための厳しい訓練に励む。今年春、校則の一部が今の若者に合うように見直された。
 全寮制で、学校は生活の場でもある。休暇や休日に学生が外出する際、これまでスーツ姿を基本としていた。「節度を保つ」との約束の下、ポロシャツや綿のズボンなども認めた。女性の長髪も可能となった。厳格な中にも個性を尊重してあげたい-。先輩の心遣いがのぞく。
 就職希望者にとって、売り手市場が続いている。「誇りと、やりがいを持ち続けられる仕事のはずなのだが…」。県警幹部の表情は晴れない。採用試験の受験倍率に、ひと頃の勢いがない。県人事委員会によると、毎年四月に採用される大卒程度の最終競争倍率は十年ほど前、男女とも十倍を超えた。ここ数年は半分にも満たない年度がある。
 四月に入校した初任科生のうち、長期課程(高卒程度)の学生は、七日と十日に卒業考査を控えている。八カ月にわたり、同期生と苦楽をともにしてきた。若人の気質は移ろいゆく。だが、一人前を目指す情熱と、真っすぐなまなざしは変わらない。

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