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街なか広場(12月3日)

 福島市本町に「街なか広場」がある。一三号国道やパセオ470に面する。かつては「本町の四つ角」と呼ばれた。ここを制するものは福島を制するといわれた。中心市街地の、まさに真ん中に当たる。
 江戸時代は参勤交代で大名が宿泊する本陣があった。明治に入って警察署が建てられる。一九二七(昭和二)年に三階建ての福島ビルヂングが完成した。「福ビル」と親しまれ、県内初のエレベーターが動いた。各地から「福ビル参り」の人々が押しかけた。市民にとっては大切な一角だった。
 東北各地に店を開いていたスーパーマーケットが撤退し、人の流れが変わった。空きビルが七年続き、にぎわいは遠のいた。二十年ほど前に市が土地区画整理で更地にした。イベント会場となり、週末には音楽祭や食を発信する催しが開かれている。高校の文化祭の発表や、若者がまちづくりの意見を主張する場にも使われる。建物がなくても、街を演出し続けている。
 市は十一月、商業ビル建設の見送りを決めた。入る店の見通しが立たなかった。JR福島駅東口には再開発の動きがある。近くには福島医大の新学部もできる。知恵を出し合いながら、新しい姿を描こう。

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