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若き思い(12月5日)

 若者が都会に出て行き、子どもの数が少なくなる。平成は、地域の元気が急速に失われた時代ではなかったか。厳しい環境の中で、古里をにぎやかにしようと取り組む学生の姿に心が和む。
 二本松市の安達東高は原発事故により、綿羊の飼育と出荷を諦めた。地元の専門家の指導を仰ぎ、生徒はゼロから養蜂を始めた。ミツバチの観察を続け、失敗を重ねながら蜜を採るこつを覚えた。蜂蜜「あいさつ坂」は学校にある坂道から名付けられた。市内の道の駅で売られ、人気を集める。
 福島民報社の「ふくしま産業賞」で、初めて募集した学生部門に県内各地の大学や短大、高校などから三十件が寄せられた。特産の農産物で六次化商品を作って、地域を盛り上げようと駆け回る高校生の工夫が輝く。JR只見線の利用を増やすため奮闘する短大生の頑張りもまぶしい。にぎわいを温泉地に呼びたいと、若旦那の魅力を無料の雑誌で発信した活動も目を引いた。
 審査に当たった選考委員は、応募内容の質が総じて高いとたたえた。「復興に懸ける強い思いを感じた」との感想が聞かれた。安達東高の生徒も受賞した。震災により、平成の若者はたくましくなった。

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