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【会津鉄道の健全化】「やる鉄」を応援しよう(12月7日)

 会津若松市と南会津町を結ぶ会津鉄道は二〇一九年度から三年間の第六次経営健全化計画の原案をまとめた。
 十一月十五日の会津総合開発協議会の臨時総会で承認され、会津鉄道が正式に決定する。「地域に貢献し、収支改善し続ける会社」を目標に掲げる会津鉄道の新たな挑戦に期待する。計画には会社と社員の意識改革「企業変革活動(やる鉄活動)」も示した。収益増には新たな発想で会津鉄道を売り込む「やる鉄活動」が重要となる。
 第六次計画は、最大輸送人員を東京五輪の二〇二〇年度に五十六万六千人、計画最終年度の二〇二一年度に五十五万六千人と定めた。二〇一七(平成二十九)年度の実績は五十三万七千九百八十七人で、約二万~三万人増やさなければならない。戊辰戦争から百五十年の節目に当たり、観光客が増加している今年度であっても、前年度からの伸びは約千人と見込まれている。目標の達成に向けて総合的な対策が望まれる。
 首都圏と直結した輸送対策に注目したい。東京・浅草と会津田島を結ぶ東武鉄道の特急「リバティ会津」は、昨年四月に運行を始めた。当初は順調な利用率を示したが、徐々に減少している。東武鉄道、南会津町と栃木県日光市を結ぶ野岩鉄道との連携は輸送増には不可欠だ。特に東武鉄道には、首都圏からの利用増が見込めるダイヤづくりを求める。合わせて、風景を楽しんだり、食事や地酒を味わったりできる企画列車のさらなる充実を図るべきだ。
 輸送増と絡んで、経営健全化計画では収支の改善が大きな課題となる。三年間の経常損失総額は七億五千三百十万円で、現在の三カ年計画より一億三千十万円増える。これらは県と会津地方十七の市町村が負担する。国鉄時代から八十四年が経過した会津鉄道は、木製枕木やレールの老朽化が著しい。安全が最優先の公共交通機関として順次、枕木やレールを更新しているが、交換費用が経常損失増の要因となっている。
 三月に会津田島駅構内の側線で脱線事故が起きた。枕木の老朽化が原因だった。運輸安全委員会の事故調査対象とはならなかった。以降は交換の促進に加えて、徒歩による点検を強化している。冬の積雪時には、始発の数時間前から除雪や線路の確認などを行い、ほとんど運休のない環境を整えている。こうした鉄道マンの労苦には、頭の下がる思いだ。地域住民全体がこうした陰の努力を理解し、自治体負担の意味を考える必要がある。(安斎康史)

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