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ICT導入し効率化 韓国農業の今/JA福島中央会視察研修(上)

 日本など十一カ国が参加し関税を撤廃する環太平洋連携協定(TPP)の発効が三十日に迫る。JA福島中央会は国際競争を勝ち抜くための農業の在り方を探るため、三日から七日まで、欧州連合(EU)や米国と自由貿易協定(FTA)を締結している韓国を視察した。現地の現状や取り組みを、本県農業の振興にどう生かしていくのか探る。(本社社会部・飯田 優奈)

 ソウル市近郊にある華城市。広大な田畑の中に約二・六ヘクタールのガラス張りの温室が立つ。タイ人などの外国人労働者ら十二人が勤務する室内の気温は真冬でも温かく保たれ、年間約四百トンのパプリカが栽培されている。
 近年、韓国では輸出向け作物としてパプリカが盛んに作付けされている。品質に優れ、米国やインドのほか日本にも出荷している。
 崔仲洛(チェ・ジュンラク)さん(43)の農場は一九九七(平成九)年、政府の支援を受けてガラス温室を設けた。ベルギーの専門家が設計に携わり、現在も二カ月に一度、設備点検や技術指導に訪れる。最先端の情報通信技術(ICT)も導入し、いつどこにいても室内の温度や湿度を自動設定できる。人手を減らせるメリットがある上、年間を通じて安定した栽培が可能で、収穫量を伸ばすことができたという。日本で同様のシステムが導入されたのはわずか五~六年前だ。
 韓国では二〇一八年一月現在、五十二の国、地域とFTAを発効している。政府による生産者への財政支援もあり、パプリカ輸出量は伸びている。二〇一四年は約二万三千トンだったが、二〇一六年は約三万トンに増加したという。
 県内でもICTを活用した農業がスタートしている。県は水稲の大規模経営体(水田メガファーム)の育成に向け、郡山市などの実証田でICTを活用した実証を進めている。しかし、初期投資や維持管理の費用負担が大きいなど経営面での課題も挙がっている。
 JA福島中央会組織農政部組織・くらし対策課の阿部孝浩課長(53)は「県内の農業にも先端技術を積極的に導入する必要性がある。ICTを取り入れることで担い手不足も解消されるのではないか。国としてもっと体制を整えるべきだ」と指摘した。

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最先端のICTを導入したガラス温室で栽培されたパプリカを選別する外国人労働者
最先端のICTを導入したガラス温室で栽培されたパプリカを選別する外国人労働者

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