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【予防的通行止め】県や市町村の連携重要(12月17日)

 大雪時の交通渋滞解消に向けた予防的通行止めがこの冬、国管理の国道で始まる。県内は中通りの四号国道、浜通りの六号国道、県北地方の一三号国道、会津地方の四九号国道など計十七区間で実施される。
 急な上り坂で車両が立ち往生しやすい場所などを対象に国土交通省が選んだ。通行止めの区間や時間帯をどれだけ早く伝えるかが重要なのは言うまでもない。高速道路や迂回[うかい]路となる県道、市町村道などと連携し、速やかに除雪する態勢づくりが不可欠だ。
 予防的通行止めは、大雪による大渋滞で交通網が寸断され、生活に著しい影響を与えた過去の教訓を踏まえて初めて導入された。大雪警報が出された際などに担当者が現地に向かう。積雪で渋滞が起きる前に、車両を迂回路や沿線の待機所、道の駅などに誘導する。その後、集中的に除雪し、早期の解除に努める。
 通行止めの情報は新聞、ラジオ、テレビなどで知らせる。ただ、対象となる区間に既に多くの車が向かっている場合、混乱を招きかねない。気象台と連絡を密に取り、通行止めになる可能性のある区間や時間帯を数日前、遅くとも前日までに一般に予告できないか。
 他の道路への誘導は、迂回路を示したチラシの配布などで対応する方針だ。しかし、県道や市町村道に乗り入れようとしても、除雪されていなければ渋滞が網の目のように広がりかねない。国、県、市町村間で情報を共有する必要がある。
 交通の大動脈となる高速道路が大雪や積雪で閉鎖され、一般道に著しい渋滞を引き起こす事例は多い。高速道路と周辺の国道が同じ時間帯に通行止めになれば、混雑に拍車が掛かる。時間帯が重ならないよう高速道路の管理者と調整し、効率的に除雪する配慮も求められる。
 昨冬は県内で大雪警報が七回、大雪注意報は三十一回発表され、生活の足が幾度も乱れた。二〇一四(平成二十六)年二月の雪害は記憶に新しい。各地で交通網が途切れ、四号国道は二十六キロの大渋滞になった。物流も滞り、品薄に陥る店舗が相次いだ。
 この経験を忘れずに除雪に万全を期す一方で、運転者や勤務先の意識付けも大切だ。大雪が予想される日は不要不急の外出を控える。仕事を前日に済ませたり、遠路通勤者は会社負担で前泊したり、業務や勤務の在り方を工夫するのも渋滞防止につながるはずだ。家庭や職場でどんな行動を取るべきかを考える機会にしよう。(五十嵐稔)

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