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サルビアの道に聖火を(12月29日)

 シクラメンやポインセチアが、師走の街角を彩る。旬の美しさに加えて、須賀川市で今、季節外れのサルビアを待ち焦がれる思いが人々に広がる。
 来年と東京五輪のある二〇二〇年、市民ぐるみで中心街の目抜き通りに咲かせる。開幕に先立つ聖火リレーなどをもり立てる。五十四年前の男子マラソンで同市出身の円谷幸吉が銅メダルに輝いた。その偉業を併せてたたえる。二十一日、有志の組織が誕生した。県内を走るコースは、まだ発表されていない。しかし、会員は必ず地元を通るルートが選ばれると信じている。
 前回の大会でも同様の取り組みがあった。古里の「期待の星」を応援する若者が結束した。育てた鉢を沿道に並べ、聖火を迎えた。開催を大いに盛り上げた。円谷の親族が、その時の種を取っておいた。夏から秋ごろにかけて花が開く。毎年、手入れを欠かさず、子孫となる株を大切に守り続けている。半世紀余りを経て、往時の再現を目指す。
 花言葉の一つに「燃える思い」がある。赤い色と姿形は、トーチにともされる炎を思い起こさせる。競技に全てを懸ける選手の闘志とも重なる。時と世代を超えて、須賀川に「感動の道」がよみがえる。

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