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【駅伝で県勢快走】県民を勇気づけた(1月7日)

 高校、実業団、大学の全国レベルの駅伝競走大会で、福島県チームや出身ランナーが躍動した。「駅伝王国ふくしま」を改めて全国に知らせ、県民に歓喜と共に誇りや勇気をもたらした。
 十二月二十三日の全国高校駅伝で、学法石川男子は2時間2分52秒の県勢最高記録で三位に入った。留学生を擁する一、二位チームに一分以内に迫った。価値は高い。
 一日の全日本実業団対抗駅伝で今井正人選手(トヨタ自動車九州、原町高出身)が最長区間四区で区間三位の快走を見せた。二区の遠藤日向選手(住友電工、学法石川高出身)は外国人選手との競り合いを繰り広げた。
 二、三日の東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)には学法石川高出身者が六人出場し、九州学院高(熊本)出身者と並び最多だった。中でも東洋大の相沢晃選手は四区で区間新記録を樹立し、往路優勝の立役者となった。今井、遠藤、相沢の三選手らは五輪代表の可能性を秘める。
 十三日に京都市で都道府県対抗女子駅伝、二十日に広島市で同男子駅伝が開かれる。五日、いわき市で福島県選手団の結団式が行われ、選手が意気込みを示した。男女ともに上位を狙う。男子は中学生、高校生、社会人・大学生の各区間ともに全国レベルのメンバーがそろい、初優勝が十分に望める陣容となった。
 これまで男子は第四回と第十五回での二位が最高で、優勝は福島県の陸上競技関係者にとって悲願である。大学生は箱根駅伝の疲れが癒えるまで時間を要するかもしれない。体調をしっかり整え、挑んでもらいたい。
 福島陸協の三浦武彦理事長は「昨年も強かったが、それ以上のメンバーが組めそうだ。強者[つわもの]ぞろいの他県と十分に戦える」と手応えを語る。
 駅伝は野球と似て「流れ」のスポーツと言われる。持ちタイムが悪い選手でも、上位でタスキを渡されると実力以上で走る場合がある。タスキの重みであり、気持ちがつながった証しだろう。
 「駅伝王国ふくしま」と呼ばれるに至るまでには、昨年三十回を迎えた「ふくしま駅伝」が大きな役割を果たした。礎を築いたとも言える。陸上以外の競技の選手が市町村代表として走り、陸上の才能を見いだされた例は枚挙にいとまがない。五輪や世界選手権代表も輩出している。
 県民が駅伝に寄せる関心は高い。陸上関係者はこれまでの歩みを振り返り、他県の取り組みも参考にしながら、さらなる強化の手掛かりを探し続けてほしい。(浦山文夫)

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