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七草がゆで元気に(1月7日)

 春の七草の一つ、ナズナは別の名を「ぺんぺん草」という。実の形が三味線のばちに似る。子どもの頃、学校帰りの道端で摘み取った遊びを思い出す。実を垂れ下げ、耳元で振る。ちゃら、ちゃら…。小さな音がした。
 きょう七日は五節句の一つで「七草」に当たる。ナズナのほか、セリ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロがある。おかゆに入れて食べる。一年の無病息災を願う。新春を祝うお膳や酒で疲れた胃腸をいたわる。冬場に乏しくなる野菜の栄養を補うという知恵でもあった。江戸時代に広まったと伝わる。
 最近、おかゆは低カロリーで消化の良いダイエット食として注目される。食料品店やスーパーには多彩な味付けの袋入り保存食が並ぶ。炊飯器でも手軽に炊ける。つくだ煮や漬物と共に口にする。温かく優しい味わいが広がる。
 須賀川市のホテル虎屋は毎年正月七日、昼と夜の献立に七草がゆをあげる。日本の食文化を守ろうと、四十年近く続く。全てがそろわず「二草」や「三草」になる家庭もあるだろう。近頃は七草の詰め合わせを手軽に買えるようになった。先人が受け継いできた健康と食の風習を改めてかみしめる。

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