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【第一原発の現状】情報を分かりやすく(1月8日)

 東京電力福島第一原発事故で炉心溶融を起こした三つの原子炉のうち、3号機の使用済み燃料プールから燃料を取り出す作業が三月末に始まるとみられている。
 政府と東電が策定した廃炉の行程表「中長期ロードマップ」の当初予定より半年ほど遅れている。だが、本格的な廃炉に向けた一歩であることに違いはない。全ての県民が原発の現状を改めて注視し、廃炉の行方に関心を寄せ続ける必要がある。
 廃炉の最大の問題は、1~3号機の原子炉格納容器の底部などにあるとされる溶融燃料(デブリ)を完全に取り出せるかにかかっている。事故から八年近くが過ぎても、内部状況が完全には把握できていないのが現状だ。
 さらに三つの各号機の燃料プールには使用済みと未使用の合わせて約千五百体の燃料がそのまま残っている。このうち、3号機の建屋にはドームやクレーンなどが取り付けられ、昨年中に取り出しが始まるはずだった。
 ところが、設置したクレーンの部品の不具合などの問題で作業が遅れた。品質管理などの初歩的なミスが重なったとされ、廃炉作業への信頼を失わせてしまった。問題点を徹底的に洗い出し、県民の不安解消に努めるべきだ。
 昨年十一月、国際原子力機関(IAEA)の調査団が三年半ぶりに第一原発に入った。結果をまとめたリポートによると、全体的所見として「緊急事態から安定状態への移行が達成され、前回調査以降、数多くの改善点が見られる」と評価した。汚染水の重層的な対策による公衆環境への影響の低減、炉内調査の進展、廃棄物の保管状況などを評価点として挙げている。
 一方で「汚染水は全ての関係者の関与を得ながら処分方法を喫緊に検討すべき」などとする二十一事項の助言を示した。
 世界基準の調査で評価されている点に注目すべきであろう。七年間で精度が向上した調査ロボットや宇宙線を使用した内部把握、映像解析の鮮明化など、科学技術の進展には目を見張るものがある。
 IAEAは、リポートの中で、コミュニケーション問題についても次のように指摘している。「政府・東電は関連データの公開だけでなく、作業員や敷地外への影響について理解を促進する情報発信に努めるべき」。政府と東電は、県内はもちろん国内外に情報を正確に示し、原発の状況や原子力についてあまり詳しくない人にも、しっかり理解が得られるよう努力を重ねてほしい。(関根英樹)

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