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惑星(1月10日)

 夜明け前に南東の空を仰ぐ。金星がまばゆい光を放つ。東に視線を下げると木星が輝く。福島市内でもはっきりと見える。阿武隈山地が朝焼けに浮かび上がるまで、まばたき続ける。
 二つの星は見かけ上、日ごとに近づく。国立天文台によると、一月二十三日の未明に最も接近する。明け方に仲良く並ぶのは、一年二カ月ぶりという。その後は離れていく。月末に向けて今度は、弓のように細い月が木星に歩み寄る。天体の不思議さを感じる。
 英国の作曲家ホルストは占星術の印象から組曲「惑星」を作った。星の名を取った七楽章で成り立つ。「金星」は「平和をもたらすもの」、「木星」は「快楽をもたらすもの」の副題を添えた。全てそろって世界で初演奏されたのは一九二〇年だった。八十三年後、「木星」の一部に日本語の歌詞が付いた。「ジュピター」の題名で歌手の平原綾香さんが歌う。今も多くの人に親しまれる。
 寒さをこらえて早起きしよう。二十三日、福島市の日の出は午前六時四十九分となる。三十分前では見つけにくい。一時間前がちょうどいい。澄み渡る天空に、二つの明かりがきらめく。心の中に曲が流れ、底冷えと眠気を和らげる。

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