あぶくま抄・論説

論説

  • Check

【選挙が続く年に】地域の将来を見つめる(1月11日)

 今年は四年に一度、県内で行われる選挙の数が最も多い年に当たる。三年に一度の参院選も重なる。選挙で地域の課題を浮かび上がらせ、住民が県や市町村の将来を見つめ直す機会とするべきだ。
 震災前の統一地方選の年には、選挙は主に四月に集中した。八年前の統一地方選の直前に震災が起き、県議をはじめ、被災地の市町村を中心に首長や議会議員の任期を延長した。震災後、福島県では統一地方選の年に年間を通して選挙が行われる。県選管委によると、県議は十一月に任期満了を迎える。県内の三割近い十七市町村の首長、半数強の三十三市町村の議員の任期も今年、満了となる。
 参院選と統一地方選は十二年に一度のイノシシ年にそろい、亥[い]年選挙とも呼ばれる。参院選の投票日は七月二十一日が有力とされる。首長や議員の任期満了が参院選に差し掛かる市町村は、同日選挙の適否の検討を迫られそうだ。首長や議員の任期満了が県議と同時期の市町村は、同時選挙が視野に入るとみられる。
 前回の県議選は十九選挙区で、合計五十八議席を争った。立候補者は七十九人で、過去二番目に少ない。無投票当選者は八選挙区の十四人で、前々回の五選挙区の七人から倍増した。四人に一人は無投票で当選した割合だ。
 全国の地方選挙で無投票当選の比率が以前より高い傾向が指摘される。県内の市町村で最近四年の無投票の選挙数は首長が三割程度、議員は一割程度だった(補選を除く)。無投票か実戦かは地域の事情などに左右されるが、有権者の選択に影響を及ぼす。
 総務省の研究会は小さな市町村の議員の「なり手」不足対策として新しい議会制度の案を示した。議会の形に加え、政党や政治に関わる団体は地域を担う人材を育てたり、政治参加を若者に教えたりする仕組みを整えてほしい。
 十八歳選挙権は三年前の参院選で初めて行われ、その後の衆院選や知事選、市町村の選挙でも十代の有権者が投票した。県議選や多くの市町村選挙を前に、政党や立候補者、行政、学校には主権者教育の成果と課題を踏まえた一層の工夫が求められよう。
 県議や市議の選挙運動用ビラの配布を可能とする改正法が三月に施行される。投票しやすさを高めるために(1)選挙(投票日)当日に共通投票所を設置できる(2)期日前投票の投票時間を弾力的に設定できる-などの改正法は既に施行されている。震災と原発事故で避難する有権者への配慮を含めて、制度の改善を続ける必要がある。(安田信二)

カテゴリー:論説

論説

>>一覧