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幸運呼ぶイノシシ革(1月11日)

 伊達市農林業振興公社には、イノシシ革の商品の注文が例年以上に舞い込む。名刺入れやキーホルダー、装飾品、ペンケース…。丈夫で、軽く、柔らかい。通気性にも優れる。
 震災前から農作物の被害が増えていた。捕獲した後に、食肉として売り出す考えだった。原発事故が水を差す。いただいた命を、新たな形で生かせないか-。職員の思いが「皮」を「革」としてよみがえらせた。原料は全て市内産にこだわる。なめし加工は業者に委託する。
 二〇一五(平成二十七)年度に独自ブランド「ino DATE(イーノダテ)」が生まれた。今年で五年目に入る。色彩も豊富に、品ぞろえは二十種類余りに増えた。市内霊山町の作業場で、職員やパート従業員が一つ一つを手仕事で仕上げる。子どもが初めて履く靴は、ふるさと納税の返礼品として人気がある。「お気に入りで手放さないの」。利用者から、うれしい便りが届く。
 各地の市民講座や物産展から声が掛かる。今年の主役は、農家には少なからず厄介な存在でもある。だが、古くから子孫繁栄や無病息災、金運上昇を招いて縁起が良いとされる。イノシシ革の小物を身につけ、幸運を呼び込んでみる。

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